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2021.07.10

1396.【京急】さよならドレミファインバータ 記念乗車券

1990年代後半から今日まで、京急を象徴していたもの、消えることになりました。

 

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 名称   :さよならドレミファインバータ 記念乗車券
 発行社局:京浜急行電鉄
 発売日  :2021年7月10日
 値段   :2,000円
 購入箇所:京急蒲田駅
 シリアルNo.:1523
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開いた様子 この時「あの音」が流れる

 

京急でこのほど消えることになったのは、「ドレミファインバータ」と呼ばれたVVVFインバータ制御装置になります。

 

このVVVFインバータ制御装置は、1998年に導入された2100形に初めて搭載されました。2100形は座席や主要機器に海外製のものを多く採用したことが特徴で、VVVFインバータ制御装置はドイツの電機メーカーであるシーメンス社製のものが搭載されました。VVVFインバータ制御装置は電車が動き出すときに高音のノイズ音を発するのですが、京急2100形に搭載されたシーメンス社製VVVFインバータ制御装置は、動き出すときにドレミファソラシドとメロディーを奏でることから大変話題になったとともに、その後2002年から導入された新1000形にもこのVVVFが搭載され京急を象徴する「音」として、「ドレミファインバータ」また「歌う電車」と呼ばれ親しまれました。しかし海外製品となるため苦労した点があったと思われ、2007年の導入車両からは国内メーカーのVVVFが使用されることになったことから、ドレミファインバータの導入は打ち止めになり、その後経年による更新工事に合わせてVVVFインバータ制御装置が国内メーカー製に換装され、ドレミファインバータは消えることになりました。すでに2100形では完了し新1000形においても更新工事が進められ、最後まで残っていた編成も更新が行われることになり、それまで親しまれていた「ドレミファインバータ」から奏でる音が消えることになりました。

 

ドレミファインバータが最後を迎えることになり、このような記念乗車券が発売されました。京急蒲田駅で発売されたのですが、京急でこれまで親しまれてきた音が消えるという象徴的な出来事になることから、早朝から大変多くの人が買い求めに京急蒲田駅に詰めかけました。自分は京急蒲田駅に5:30頃に着いたのですが、この時点ですでに1000人以上が並んでいたとされており、当初発売開始7:00から40分繰り上げて6:20から発売開始となりました。自分は約2時間半並んでようやく入手することができましたが、購入できた時点で列は更に長くなっており昼頃までで完売となってしまいました。

記念乗車券の内容ですが、ドレミファインバータを搭載していた2100形と新1000形、床下のVVVFインバータ制御装置をあしらった3枚の硬券乗車券がピアノをあしらった台紙にセットされています。この記念乗車券は台紙を開きますと、電車が動き出すときに奏でていたドレミファインバータの音が鳴るというギミックがあります。

 

1990年代後半以降の京急は羽田空港乗り入れなどで大きく注目を集めるようになった時代であり、その時代に登場した車両に搭載されたドレミファインバータは京急の大きな特徴となりシンボル的なものになりました。ここでも、一つの時代が終焉を迎えました。

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コメント

京急の記念切符は、関東でもずば抜けてファンが多く、昨今の大混雑は定番になっていますよね。比較的近くで発売でしたが。体力的に断念しました。
ドレミファインバータ、コレが一つの売りになるとは、登場時には想像もしていませんでした(実際他社にたくさん居ましたから)が、一般への認知度の高まりはTVの鉄道バラエティの影響も大きいのでしょうね。

りばてぃ様、コメントをありがとうございます。

京急の記念きっぷは、最近大変多くの人が買い求めに早朝から発売駅に集まる傾向があります。今回は、京急車両の特徴の一つであったシーメンス社製VVVFインバータ制御装置が更新のため消えるということで、この装置が奏でるメロディーも消えるということもあり企画されました。この内容で記念乗車券を発売するのかと思いましたが、発売箇所が京急蒲田1か所だけである点を考え、自宅最寄を初電で京急蒲田に向かったところ、すでに1000人以上が集まっていたという状況で、改めてファンの多さを実感した次第です。

確かに、この音は2100形デビュー時から評判になりましたが、その後のTVなどで紹介されたこともあってよく知られるようになったのかもしれません。車両自体は更新を受けて活躍を続けますが、VVVFインバータ制御装置の置き換えによりこのメロディは聞き納めになるということは、ここでも一つの時代が終わろうとしていることを表しているのかと思います。

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