さようなら 北総7000形
3月に入り、卒業などの別れの季節となりました。鉄道の世界でもこの3月で引退・終焉を迎える列車・車両がありますが、この車両もこの3月で引退となりました。その車両は北総鉄道7000形です。
北総7000形は、1979年の北総第1期線である北初富~小室が開業した当初からの車両で、その外観から「ゲンコツ」という愛称で親しまれた大変個性的なデザインの車両で、側窓も固定式・車内の吊り輪もデビュー当初は無かったなど、当時としては画期的な仕様で1980年の鉄道友の会ローレル賞を受賞しています。その後2期線になる京成高砂~新鎌ヶ谷が開業すると、これにあわせて京成押上線・都営浅草線・京急線との直通運転を開始しました。このころ当初6連だった7000形には中間増備車が登場して、この車両は側窓が2段式になっているという特徴があります。
千葉ニュータウンと都心さらには羽田空港を結んでいた北総7000形でしたが、寄る年波には勝てず昨年から引退が始まり現在1編成が残っていますが、この編成も引退することになり今月からヘッドマークを付けて運転しています。今日は、さよならヘッドマークを付けた北総7000形を撮影してきました。
いよいよ引退することになった北総7000形 2007年3月4日 京急線 立会川で筆者撮影
2007年3月4日 京成押上線 八広で筆者撮影
2007年3月4日 京急空港線 穴守稲荷で筆者撮影
引退が決まり、さよならヘッドマークも付けられたことから今回、京急・京成線内で撮影しましたが、各所でこの車両を撮影しようと人が集まっていました。また、ヘッドマークは前後で異なるものが付けられていました。
北総7000形に付けられたヘッドマーク (左)京成高砂・西馬込・羽田空港方先頭は「ありがとう」 (右)千葉ニュータウン・印旛日本医大方先頭は「さよなら」 の文字 2007年3月4日 (左)京急空港線 穴守稲荷 (右)京急線 品川 で筆者撮影
今回撮影後、穴守稲荷から品川まで乗車してみましたが、車内はもう陳腐化が進んでおり、登場時はその特徴的なスタイルで注目を集めた北総7000形も、それだけ時が経てしまったことを物語っているように感じました。
北総7000形の運転は今月14日までで、その後25日に北総線内でさよなら運転と撮影会が行われるそうで、そのときは今回とは別デザインのヘッドマークが付けられるとのことです。なお、このさよなら運転と撮影会は現在往復はがきによる受付を行っており、350名の方が参加できるとのことです。
千葉ニュータウンの足として開業した北総鉄道は、その後入居が予想を下回り開発が遅れ輸送人員でも低迷している状況です。しかし、ある意味千葉ニュータウンのシンボル的な車両であった北総7000形、これまでの活躍は決して平穏ではなかったと思いますが、沿線の発展を支え人々の通勤通学の足として活躍してきたことを労うとともに、最後まで無事に走り抜けてほしいと思います。
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コメント
この車両は,乗り入れ前の1980年代後半に鉄道のガイドブックで,見た際に独特の外見と内装が忘れられずに,乗り入れを非常に待ち焦がれていました。浅草線に乗り入れる際に,つり革がなしではどうなるのだろうかという心配があったが,結局はつり革が設置したのは,安心しました。
八広駅で撮影されたのですか?私も今日は,八広駅で撮影していました。以前は,荒川鉄橋の橋げたが低く,撮影が非常にし易いことで,この荒川鉄橋は知られていましたが,新しい荒川鉄橋になって,安全性は向上したが,撮影が少し難しくなりました。しかし,浅草線に乗り入れる車両を撮るには絶好の位置なので,この八広駅は人気が健在ですね。
投稿: 特急あらかわ | 2007.03.04 23:32
特急あらかわさん、コメントありがとうございます。
北総7000形は、その昔新京成に乗り入れていたときに松戸方で乗車したことがあるのですが、その当時の新京成のラインナップからしてみれば、明らかに別次元の車両であったと思っています。その後都営浅草線直通でこの車両も身近になったのではないかと思います。
自分は八広では14:48の羽田空港行きを撮影しました。この場所は結構有名な場所と感じましたので、多くの人が集まり撮影していました。確かにここですと都営浅草線の5300形や京急からやってくる1500形・600形・新1000形の撮影もできますね。
独特のスタイルが特徴的だった北総7000形が引退とは、まだ信じられないのですが、やはりそれだけ月日が過ぎてしまったと改めて思った次第です。
投稿: Kaz-T | 2007.03.05 00:17
北総7000形が引退なんですね。
関東に移り住み、打合せで初めて北総に乗った日を思いだします。
鉄道ファンで初めてこの車両のデザインを見た時の衝撃は忘れもしません。あれから20数年後に初めて乗った時
感慨深い物がありました。
それから1年後に引退とは・・・。
もう少し、お付き合いしたかった車両でした。
お疲れ様でした。
投稿: がいや | 2007.03.06 11:49
がいやさん、コメントありがとうございます。
この車両がやってきたときは、その外観から注目を集めたのですが、やはり寄る年波には勝てず、置き換えのときが到来してしまいました。そのユニークなスタイルの北総7000形の活躍も残り1週間ほどになってしまいました。
今度の週末でしたらまだ間に合いますので、ぜひ最後の姿を見に訪れてみてはいかがでしょうか?
投稿: Kaz-T | 2007.03.07 23:05