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2007.01.12

転機を迎える 西鉄宮地岳線

九州旅行最終日となった1月8日は、博多・祇園の宿泊先から地下鉄に乗り、中洲川端で箱崎線に乗り換えて終点の貝塚にやってきました。まずは、ここから出発する西鉄のもう一つの路線、宮地岳線に乗車しました。

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西鉄宮地岳線 600形 2007年1月8日 貝塚で筆者撮影

西鉄宮地岳線は、福岡市営地下鉄箱崎線の終点である貝塚から津屋崎を結ぶ路線です。全線単線でワンマン運転を行っています。デイタイム時間帯は12から15分おきに運転されています。また西鉄の本線である天神大牟田線とは直接は接続していない離れ小島の路線で、また天神大牟田線では軌間1435mmなのに対して、宮地岳線は1067mmの軌間です。

まずは、終点の津屋崎まで停車中の600形に乗車します。

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出発を待つ600形 2007年1月8日 貝塚で筆者撮影

600形は、1962年に本線である大牟田線に導入された通勤型車でしたが、1990年から宮地岳線に転用されてきました。転用に対して、台車を1067mm軌間用のものに履き替え、ワンマン運転機能を追加、さらには外装を大牟田線当時のアイスグリーンに赤帯からイエローに赤帯に変更となりました。この塗装は先代の天神大牟田線の特急車である2000形と同じ塗装です。ちなみに600形は、本線の天神大牟田線でもまだ残っているようですが、すでに運用はラッシュ時間帯ぐらいに限られ絶滅寸前といっても過言ではない状況になっていますが、宮地岳線では主力として活躍しています。

宮地岳線は、貝塚を出るとすぐに橋梁をわたり高架線に上ります。この区間は近年、都市再開発や高架化により線路の切り替えが行われたため近代的な風景を進みます。その後は古くからの住宅地を抜け、さらには新興の住宅地を進みます。そして、貝塚から約40分で終点の津屋崎に到着します。

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津屋崎駅舎 2007年1月8日 筆者撮影

津屋崎駅前には公園がありましたが、特にコンビニを始めとした商店の類は無く、閑静な駅でした。
ここで、1本送って次の電車で戻ることにしました。

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折り返して出発した600形 2007年1月8日 津屋崎で筆者撮影

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到着した旧型車300形 2007年1月8日 津屋崎で筆者撮影

戦後間もない1948年から製造されたという旧型車、300形が到着しました。

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津屋崎方先頭 モ311 2007年1月8日 津屋崎で筆者撮影

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貝塚方先頭は非貫通のク361 2007年1月8日 津屋崎で筆者撮影

宮地岳線には、このような旧型車がいまだ健在です。この車両は300形という車両で、1948年に大牟田線に導入され、1978年と1986年に宮地岳線にやってきました。転入時に更新・冷房改造などが行われたようで、おそらくオリジナルのスタイルは貫通型のスタイルと思われますが、更新した車両は非貫通のなんとも奇妙なスタイルになりました。一部はカルダン駆動に換装されたものあるようですが、ここでやってきたモ311の編成は吊り掛け駆動という、今となっては骨董品的な車両でした。この車両で津屋崎を出発しました。吊り掛けの重低音に浸ってきましたが、2つ目の西鉄福間ですれ違った車両が気になりましたので、ここで下車しまして撮影しました。

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すれ違う モ311(左)モ315(右) 2007年1月8日 西鉄福間で筆者撮影

すれ違った車両は313形と呼ばれる車両です。ここから津屋崎で折り返してきた313形モ315に乗車します。

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貝塚行きとして戻ってくるモ315と行き違う 600形 2007年1月8日 西鉄福間で筆者撮影

モ315に乗車しましたが、この車両はカルダン駆動に換装されていました。313形は1952年に製造されたこれもまた古い車両で、1977年に宮地岳線にやってきました。その後更新・冷房改造などが行われて今の姿になりました。この列車で香椎花園前で下車して撮影しました。

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ここまで乗車してきたモ315 2007年1月8日 香椎花園前で筆者撮影

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足回りをカルダン駆動に換装された3両編成の300形モ307 2007年1月8日 香椎花園前で筆者撮影

香椎花園前から、再び313形のモ314に乗車しました。モ314は、先に乗車したモ315と同じ車体で更新・冷房改造も行われていましたが、足回りが吊り掛け駆動という車両でした。再度吊り掛けのサウンドに浸りながら西鉄千早まで乗車しまして、ここで撮影しました。

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貝塚に向けて出発したモ314 2007年1月8日 西鉄千早で筆者撮影

西鉄千早駅はこの地域の再開発により路線が変更になり誕生した新駅で、JR鹿児島本線にも同時に千早駅が開業し隣接しています。近代的な高架駅を出発する、製造されて半世紀以上が過ぎた吊り掛け車というのは、とても21世紀の今日とは思えないあまりにもミスマッチな光景です。しかし、これが西鉄宮地岳線の2007年1月の姿でもあります。 

さて、今回乗車した西鉄宮地岳線ですが、あと数ヶ月で転機が訪れます。それは、この路線のほぼ1/3にあたる西鉄新宮~津屋崎が今年3月31日の運行を持って廃止となることになりました。
大都市福岡から出る路線で沿線も住宅地が多くある路線ではありますが、廃止となる区間の利用は少なく、このエリアではすぐJR鹿児島本線が並行しておりこちらのほうが便利であることや、バス・マイカーとの競合という面もあることでしょう。確かに、西鉄新宮を過ぎると車内はガラガラの状況になってしまい、廃線やむなきと言われても仕方が無い状況です。
西鉄新宮~津屋崎廃止後は、現状の車両が余剰になります。おそらく、旧型車である300形や313形から運用を離脱するものが発生すると思われ、特に吊り掛け駆動で残っている車両はなおさらではないかと思われます。

一部区間の廃線は残念なことです。西鉄宮地岳線を走る「超個性的な電車」のバリエーションを各種記録できるのも、あと数ヶ月ほどです。
この記事をご覧になられまして気になった方、すぐにでも福岡に出向いて、これら車両を記録にまた乗りに行かれてみてはいかがでしょうか?


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おまけ鉄ブログさん

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コメント

☆ こんばんわ。
  西鉄宮地岳線に行かれるだろうと記事をお待ち申し上げて
  おりました。SDTMも一昨年行ってきましたので、記事をTB
  させて頂きます。

投稿: SDTM | 2007.01.13 00:27

SDTMさん、コメントとトラックバックをありがとうございます。まず、コメントにつきまして、当方で訂正させていただきましたので、ご確認ください。

さて、今回の九州旅行では、西鉄宮地岳線も乗車するように行程を組みました。それは今年3月で西鉄新宮から津屋崎間が廃線となるためで、この時期に乗車しなければもう乗れなくなってしまうと思いました。この廃線後、旧型車のうち吊り掛けで残っている車両はおそらく淘汰の対象となってしまうことは十分予想できますので、行ってみてよかったと思っています。
しかし、西鉄千早など近代的な高架駅に旧型車はミスマッチ以外のなにものでもないのは、皆様感じることは同じようですね。

投稿: Kaz-T | 2007.01.13 13:46

こんにちは、TBによるご案内どうもありがとうございました。m(_ _)m
あと3ヶ月以内に大きく変動する宮地岳線の現状がよく分かるレポートで、参考にさせて頂きました。特に、315Fがきれいに塗り替えられたばかりのようで、部分廃止後もまだまだ使うという方針を感じられて安心しました。いっぽう、314Fは相当汚れている感じで、やはり釣掛のままの編成は部分廃止と運命をともにしそうですね……。
千早駅や西鉄香椎駅の最新の雰囲気に象徴されているように、これからは遅かれ速かれ地下鉄との直通による脱皮を目指すでしょうから、「宮地岳線最新」の600形も含めて十分に味わっておく必要があるのだろう……と思っています。

投稿: おっとっと | 2007.01.13 14:07

宮地岳線の車両群ですが、現車は大牟田線時代に接したもので、トシがばれそうですが^_^;、塗装と冷房のほかに、連結器がトリムンソン型から自動連結器になって、表情が変化してますね。

足回りは井ノ頭線グリーン車、東急青ガエル、西武701系などから移植されているので、関東私鉄と縁が深いのですが、市営地下鉄との直通構想が具体化すれば、現役車両も短命かもしれません。

しかしかつて単行運転で駅で乗務員が掛け金を外して手動ドアを開けて客扱いしていた面影はどこへやら、完全に都市近郊線に脱皮した姿ですね。高架化でわかりにくくなりましたが、和白までは複線分の線路用地が確保されていて、昔から福岡市内線と一体化や北九州延長などの構想が度々浮上しては消えた宮地岳線ですが、末端区間の廃止はあるものの、新たな役割を得るのですから、喜ぶべきなんでしょうね。

投稿: 走ルンです | 2007.01.13 18:30

コメントいただきまして、ありがとうございます。

おっとっとさん>
大手私鉄の西鉄に今も残る個性的な旧型車、お楽しみいただきましたでしょうか?旧型車とはいえ冷房化や足回りの交換も行われているものもあるなど、これほどまで個性が強い車両が揃った路線というのもそうはありません。しかしまもなく部分廃止を控え、特に吊り掛けで残っているものは淘汰の危機が迫っているようにも感じます。その一方で315のように最近検査を受けたと思われる編成もありますので、すぐに旧型車がなくなるということはなさそうです。
よく言われる貝塚での地下鉄直通は本当に実現するのか、実現した暁には宮地岳線は大きく変わることでしょう。

走ルンですさん>
宮地岳線で活躍している車両は、本線の大牟田線からの移籍車両になります。それこそこれら車両が本線で活躍していた姿をご覧になったことがあるとは、素晴らしいことです。その一方で単行手動ドアとは、これら車両が宮地岳線にやってくる前まで存在していたのでしょうか?そうだとしますと本線でバリバリ現役だったこれら車両が活躍していた時代の宮地岳線は、一体どんな車両が活躍していたのでしょうか?
千早や香椎周辺は高架線になりましたが、ここを行き交う車両は50年以上過ぎた旧型吊り掛け車も存在している、とても21世紀の大手私鉄路線とは思えないラインナップです。都市近郊路線に脱皮した宮地岳線で果たして貝塚での地下鉄直通が実現するかで、この路線の今後は変わってくるのではないかと思います。

投稿: Kaz-T | 2007.01.13 21:38

はじめまして。がんちゃんと申します。トラバさせて頂きました。
今年1月に訪れたときは、宮地嶽神社に初詣輸送のため、車内はごったがえしていましたが、通常はやはり西鉄新宮からは閑古鳥が鳴いているようですね。
本線では既に600型は撤退したんでしょうか?宮地岳線ではまだニューフェイスですから驚きです!
区間縮小後の車両がどうなるかは今のところ未定なのでしょうが、最後の日まで無事故でがんばってもらいたいものですね。
ありがとうございました。

投稿: がんちゃん | 2007.02.06 18:38

がんちゃんさん、弊ブログにようこそお越しくださいました。コメントとトラックバックをありがとうございます。

自分は1月の3連休に訪れたのですが、車内は西鉄新宮を過ぎるとまばらな状況でした。駅には300形をあしらった宮地嶽神社初詣のポスターが貼られていましたが、あまりそちらに向かう人はいませんでした。

この路線では最新車となる600形、天神大牟田線では筑紫の車庫に留置中の姿を車窓からは確認したのですが、もう風前の灯火であると思います。区間縮小後は、おそらく吊り掛けで残っている車両から淘汰されると思われます。もうのこり2ヶ月をきりましたが、無事に走ってほしいと思うのは私も同じです。

投稿: Kaz-T | 2007.02.06 23:07

この記事へのコメントは終了しました。

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