京浜東北線209系試作車に遭遇
先日、電車を待っていると京浜東北線の209系の試作車編成が到着しました。
京浜東北線209系試作車 ウラ91編成 2005年6月18日 横浜で筆者撮影
209系試作車は1992年に、これまでの車両の概念を変え「価格半分」「重量半分」「寿命半分」というコンセプトで設計され、当初は901系として3編成導入されました。
3編成導入されたため仕様は3者3様で、車体構造や側窓が異なっているほか、VVVFなどの電装品も異なっていたとのことです。その後これら901系のデーターを基に209系として量産が始まり、901系も209系に量産改造の上編入されました。
さて、今回遭遇した209系試作車は、元B編成と呼ばれていた編成で、側窓の構造やドアのガラス取り付け方法に違いがあるほか、側面の行先表示器が1両おきについているという特徴があります。なお、試作車編成にはすべて6ドア車は連結されていません。
ウラ91編成 先頭車の側面行先表示器付近 側窓とドア窓の形状にご注目ください
ウラ91編成の大宮方から2両目の中間車 側面は1両おきについている形式のため、この車両のこの面には表示器は付いていない。
209系試作車は今日も量産車に混じって活躍していますが、一説によりますと当初のコンセプトである「寿命半分」の寿命の時期が来ているという話もあります。すぐに置き換えになるとは考えにくいのですが、今後どうなるか、気になるところです。
901系時代の209系試作車 画像の編成はC編成で現在のウラ92編成 1993年ごろ 横浜で筆者撮影
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コメント
寿命半分、の解釈は難しいですね。JR東日本の車両開発者が書いた、「新幹線がなかったら」という本によると、VVVF化や交流モーターの使用などで、全検までの期間を延長すること、そして、技術進歩に伴い、陳腐化した車両を延々と使い続けることはサービス上得策ではないこと、といった点を考慮し、寿命半分でもペイする車両として開発した、という趣旨の記述が見られます。つまり、多分に物理的な寿命というより、経済的な寿命という意味が強かったのではないでしょうか。
もっとも、一部では、外板の歪みが目立つ、との指摘があるのも事実ですが。
Primera
投稿: Primera | 2005.06.19 09:49
寿命半分に関する私の解釈は、13年間分解修理不要ということで、メンテナンスフリーと共に延命のための更新工事あえてを行わず、使い切りにするという意味かなと思います。
ですから基本的に他線への転用は行わず、投入線区での最適化設計によって天寿を全うすることでライフサイクルコストを下げようということかなと思っております。
試作車編成については、3編成それぞれに異なった仕様を一応量産車に合わせて改造はされてますが、必要最小限に留めていることから考えると、基本的に量産車と運命をともにするのではないかと考えております。
この辺は私のブログでもhttp://btrainj.cocolog-nifty.com/hasirundesu/2005/04/post_458b.html
の記事で論考しておりますので、ご参考までに。
投稿: 走ルンです | 2005.06.19 11:59
コメントいただきまして、ありがとうございます。
Primeraさん>
901系後に209系となったこれら車両の設計思想が、いまだもって正しく理解されず「価格半分」「寿命半分」といった言葉だけが独り歩きしてしまったように思えます。
外板の歪についても、ある程度は折込済みなのかもしれません。
走ルンですさん>
ご紹介の記事を拝見いたしました。
901系として世に登場したときのコンセプト「価格半分」「重量半分」「寿命半分」について、正しく理解されていない、というのが現状のようですね。
経済的な寿命、すなわち技術の進歩や保守費用、エネルギー使用量といった総合的な観点から、「寿命半分」というコンセプトが生まれたそうで、そのほうが古い車両を使い続けるよりも得策である、という考えのように思います。
投稿: Kaz-T | 2005.06.19 22:29