今日から8月9日まで、神奈川県相模原市緑区の橋本では恒例の「七夕祭り」が開催されます。
今では政令市になった相模原市の北のターミナルである橋本に、都心方面から京王相模原線が延びてきたのは、平成に入って1990年代が始まった年の春のことでした。
====================
名称 :相模原線全線開通記念乗車券
発行社局:京王帝都電鉄
発売日 :1990年3月30日
値段 :3,000円
購入箇所:吉祥寺駅
シリアルNo.:3943
====================


相模原線全線開通記念乗車券のセット内容


最後の区間である南大沢~橋本が開通し、路線名のとおり相模原市への延伸が完成したことを記念して発売されたアイテム、内容は相模原線各駅(京王多摩川~橋本)からのA型硬券の地図式乗車券が台紙にセットされているという構成になります。台紙の表紙に描かれている路線図は、この当時の京王全線を7つのゾーンに区切り、エリアごとに駅名看板等のカラーが定められた「駅別ゾーンカラー」を表しており、新宿・渋谷付近ではベルベット、調布付近ではバーミリオン、相模原線内はイエローグリーンといった感じで分けられておりました。また、乗車券はいずれの駅から新宿まで行ける金額の乗車券がセットされております。ただ相模原線全線開通時には多摩境という駅はまだ開業していませんでした。(この翌年開業)また、相模原線全線開通に合わせて京王ではCI化が行われ、現在おなじみとなった「KEIO」のロゴが使用されるようになったのも、この頃からになります。
さて、この記念乗車券には大きな特徴があります。それはすでに画像でお分り頂けているかと思いますが、「街と自然が始発駅」というタイトルがついたビデオソフトが付いているという点になります。


相模原線全線開通記念乗車券に付いてきたビデオ「街と自然が始発駅」
1990年当時は、VHS方式のビデオデッキが一般的に普及した時代で、このビデオの内容は新宿から橋本へそして高尾山へ京王線沿線を上空から撮影した映像が収録されています。
この記念乗車券も発売から25年が過ぎてしまいました。すでにVHS方式のビデオデッキはDVDやBlu-ray Disc等にとって代わられていき、私の手元にはもうVHS方式のビデオデッキはなく、また実家にもVHS方式のビデオデッキは古くなってしまい処分してしまいましたので、残念ながらこのソフトを再生して観ることはできなくなってしまいました。
けれども便利な世の中になりまして、インターネットの動画サイト「ニコニコ動画」に、このビデオをアップされた方がいらっしゃいました!こちらからリンクいたします。
今から25年前、1990年頃の京王線沿線を空撮した20分ほどの映像です。今見てみますと随分と変わったなと感じるところがあります。
この記念乗車券は、発売前に予約を取っていたように記憶しており、発売日に引き取ってから早速開業したばかりの相模原線の快速(この当時の相模原線の優等列車は快速しかなく、相模原線内でも通過駅がありました)に乗車して、橋本に向かいました。
橋本駅ではこの記念乗車券の他に、このような記念入場券も発売されておりました。こちらも合わせて公開いたします。
=================
名称 :橋本駅開業記念入場券
発行社局:京王帝都電鉄
発売日 :1990年3月30日
値段 :300円
購入箇所:橋本駅
シリアルNo.:3422
=================

この記念入場券はカード型の紙製で、図柄は相模原市の「市の木」・けやき(葉)、同じく「市の花」・あじさい、同じく「市の鳥」・ヒバリがあしらわれています。このアイテムは橋本駅のみで発売されました。
京王相模原線が橋本まで延伸し、全線開通してから四半世紀が過ぎました。相模原市橋本はこの路線の開通によって急速に発展し、相模原市が政令市に移行しますと緑区の代表駅となりました。さらに2027年開業予定といわれている中央リニア新幹線の停車駅になるなど、これからさらに発展していく橋本の街と合わせて、京王相模原線がどのように変貌を遂げるのか、注目する必要がありそうです。